人事管理に原則があるとすれば、タイトルの通りかなと思っています。
人事異動をやったものの、社員から不満が続出。パフォーマンスも下がって売上ダウン・・・
採用したものの、適性判断が甘くすぐに退職してしまった・・・
人事に関する悩みは圧倒的にマイナス方向の悩みが多いものです。
実は、こういった悩みは企業としての「戦略性」に起因していることが多いのです。
つまり、「人事的なテクニックだけで解消できる悩み」ではないということになります。
さて、いったいどういうことなのか。
少し噛み砕いて解説していきます。
戦略が策定されているか?
まず、大前提になるのが企業として「戦略」を持っているかということです。
場当たり的な成長性だけを追い求めるのではなく、「戦略」を持って事業を展開できているでしょうか?
- 日々の業務に追われている
- 目の前の案件を追いかけ続けている
- とりあえず受注できたものを捌く
このような企業はどうしても人事面においても後手後手に回ってしまう印象です。
場当たり的な経営環境では、人事面でも当然場当たり的になってしまいます。
- 新しい商材を販売することになったため、とりあえず現在のトップセールスマンを責任者に据えた。
- 予想以上に売上が伸長しそうだ。慌てて採用をしよう。
このような対応では、社員も困惑するのは当然です。
しかし、「戦略性」があれば人事面でも先手で対応することができます。
つまり、人事面での対応という小手先の対応を行うのではなく、「戦略に基づいて人事的な対応をしていく」ということになります。
そもそも戦略とは
では、「戦略」とは何でしょうか?
Wikipediaによると「一般的には特定の目的を達成するために、長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する技術・応用科学である。」とあります。
もっと噛み砕いて解釈していくと
「何をするのか、あるいは何をしないのか」を明らかにし、経営資源の配分を決定することという感じでしょうか。
重要なのは、「何かをするという決定の裏で『何をしないのか』何をしないのか」をきちんと決めることだと思います。(戦略の定義だけで恐ろしく長い記事ができあがるので割愛します)
競争戦略、事業戦略など細分化していくプロセスも発生しますが、何よりも企業としての「ビジョン」や「目標」に合致しているプロセスをしっかりと作り上げていくことに戦略を練る意味があるのかなと。
この戦略に従って「マーケティング」や「販売」といったテクニカルな部分ができあがりますし、人事面の施策も決まっていくことになります。
戦略と人事施策の関連性
上述の通り、戦略のない場当たり的な人事対応は社員に対して害こそあれ利はありません。
戦略に従った人事戦略とでもいうべきものを中長期的に実行していく組織が結局強いわけです。
例えば、評価基準。
単に「営業成績がいい」という社員を評価するのか「マネジメントスキルがある」社員を評価するのかなどは企業がどういう戦略を有しているかに依ります。
人事異動は評価に基づいてなされるべきと思いますが、その評価基準が曖昧では皆納得感がないまま働くことになります。
評価は単に昇進・降格といった場面だけでなく給与など細かい部分にも波及してきますので、特に重要な人事施策の一つです。
また、採用も然りで、戦略性を欠いた採用は「余剰人員の増加」「教育不足によるパフォーマンスの低下」など様々な影響が発生する可能性もあります。
せっかく採用した社員を即座にリストラすることになれば、企業としても時間と労力のムダになります。
戦略と人事施策の関連性は難しく考える必要はなく「企業が向かっている方向に合致しているかどうか」といういわば単純なことがしっかりとできているかどうか、という点が重要となるのです。
戦略策定の難しさ
そうは言っても、日々の業務はやはり忙しいものですし、なかなかそこまで深く考えるという機会すらない企業が多いのも事実です。
戦略が策定されていても、人事施策との結びつきがなされていない企業もありますし理想と現実のギャップというのはそう簡単に埋まるものではありません。
ひとつの解決策ですが、「人事施策策定や戦略との結びつきを他者に委ねてみる」というのも手段ではないでしょうか?
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