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対策はお済みですか??〜最低賃金が改訂されました〜

毎年実施されていますが、令和元年度の最低賃金が改訂されました。
概況だけ先に述べますと、東京都と神奈川県では初めて「1,000円台」を突破。
景況感はともかく、最低賃金改定から継続的なインフレ対策をしたいという政府の思惑が見て取れます。

従業員目線で見れば最低賃金アップで嬉しいところですが、経営者目線で見ればよりシビアなコストコントロールを求められるところです。

さて、今回のコラムはこのような「最低賃金」についてです。

地域別最低賃金と特定最低賃金

一言で「最低賃金」と言うことが多いですが、実は最低賃金は二種類あります。

地域別最低賃金特定最低賃金がそれです。
一般的に「最低賃金」について語る場合は『地域別最低賃金』のことを指します。

『地域別最低賃金』とは、時間給換算した場合の最低限の基準を設けたものと思っていただければ間違いないでしょう。
これは都道府県ごとに定められており、実際の就業地の基準が適応されるのが通常です。
最低賃金を下回る時給で働かせている場合、「最低賃金法」という法律に基づき事業主が処罰を受けることがありますので要注意です。


では、『特定最低賃金』とは何か。
簡単に言えば、特定の「産業」について地域別最低賃金と別に都道府県ごとに最低賃金を設定しているものとなります。
俗に産業別最低賃金と言ったりもします。
都道府県ごとに認定されている業種に違いがありますので、詳細は各都道府県労働局などに確認するのがいいかと思います。

ちなみにですが、『地域別最低賃金」と『特定最低賃金』の金額が違う場合は、『特定最低賃金』が適用されますので、対象となる産業の事業主様はお間違えの無いように。
今回のコラムでは、地域別最低賃金のことを「最低賃金」と述べて話を進めていくこととします。

令和元年度最低賃金改訂の概要

先述した部分と被りますが、今回の最低賃金改定における最大のトピックは、東京都と神奈川県です。
東京都が1,013円、神奈川県は1,011円となり初めて1,000円台を突破しました。

一方一番金額が低い地域は790円で、青森、秋田などの東北、佐賀、熊本など福岡を除いた九州各県など15の県が該当します。

なお、今回賃金上昇率が一番よかったのは鹿児島県で、前年比29円、実に3.67%の上昇となりました。

一番高い東京都と一番低い各県との最低賃金の差は「223円」となっています。
賃金格差については今回の改訂でかなり縮まった形になります。
とは言え、個人的には関東圏と地方の状況が浮き彫りになっているような気がしますが・・・

ひとまず、全体的上昇しており全国の加重平均は901円。
細かい部分に目をつぶればまずまずの結果になっているような印象です。

なお、詳細につきましては厚生労働省のページに譲ります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

最低賃金改定で留意すべきこと

今回の最低賃金改定によって留意すべきは

・時間給で従業員を雇用しているケース
・「みなし残業代」を導入しているケース

などが考えられます。

・時間給で従業員を雇用しているケースについては
⇒時間給が最低賃金以下の場合、直ちに改訂された最低賃金を上回る額に改訂しましょう。

・「みなし残業代」を導入しているケースについては
みなし残業代の計算基礎となる基本給部分が最低賃金を下回らないか確認しましょう。
みなし残業代を修正しないと最低賃金に抵触する可能性が出てきます。
みなし残業代という制度の是非については今回は触れませんが、このような無用の手間を削減する意味でもあまり好ましいものではないと思っています。

また先ほど述べた通り、最低賃金法という法律により最低賃金を下回る水準で従業員を雇用している事業主は「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」という処罰を受ける可能性があります。
ただちに自社の賃金体系を見直して最低賃金法に抵触していないかの確認が必要となってきます。

まとめ

最低賃金については、都道府県ごと・業種ごとによって細かく定められています。
最低賃金法に抵触する場合は罰則もありますので要注意です。

従業員にとっては、賃金アップにつながる喜ばしい改訂ではありますが、事業主にとってはコストアップの要因なので頭が痛い課題の一つかも知れません。
社会的にインフレを目指している中、最低賃金の上昇は今後も継続的に行われる可能性があります。

事業主・経営者にとっては継続的に向き合わなければならない課題なので、今季のみならず長期的な視点に立って給与体系を整備される方が無難でしょう。
できるだけ「その場しのぎ」の対応にならないようにするのも経営的視点から見ると大切です。

まだ対応がお済でない方は早期にご対応を!

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