上述の通り、戦略のない場当たり的な人事対応は社員に対して害こそあれ利はありません。
戦略に従った人事戦略とでもいうべきものを中長期的に実行していく組織が結局強いわけです。
例えば、評価基準。
単に「営業成績がいい」という社員を評価するのか「マネジメントスキルがある」社員を評価するのかなどは企業がどういう戦略を有しているかに依ります。
人事異動は評価に基づいてなされるべきと思いますが、その評価基準が曖昧では皆納得感がないまま働くことになります。
評価は単に昇進・降格といった場面だけでなく給与など細かい部分にも波及してきますので、特に重要な人事施策の一つです。
また、採用も然りで、戦略性を欠いた採用は「余剰人員の増加」「教育不足によるパフォーマンスの低下」など様々な影響が発生する可能性もあります。
せっかく採用した社員を即座にリストラすることになれば、企業としても時間と労力のムダになります。
戦略と人事施策の関連性は難しく考える必要はなく「企業が向かっている方向に合致しているかどうか」といういわば単純なことがしっかりとできているかどうか、という点が重要となるのです。